2005年12月19日(月)17:39

メルケル首相はEU憲法に新たな命を吹き込む意向

ベルリン(AFP)

EU中期予算問題の合意を受けて、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟)はEU憲法の批准プロセスも活性化させる意向である。だが具体的な計画はまだないと政府のトーマス・シュテーク副広報官はベルリンで語った。副広報官は、メルケル首相が先週末のEU首脳会議の前に開かれた欧州国民党の会合で、膠着しているEU憲法の批准手続きに「新たな生命を吹き込む」との意向を表明したことを確認した。しかしもはや現在の憲法の条文には何の変更も加えられない、と広報官は述べた。

シュテーク副広報官は、キリスト教民主同盟・社会同盟と社会民主党が連立協定でEU憲法の批准推進に合意していることに言及した。副広報官は「憲法を忘却の彼方へと葬り去るのではなく、新たな命を吹き込むことが重要である」と語ったが、「具体的な計画はまだ立てていない」とも付け加えた。副広報官は、欧州国民党の会合では憲法の条文をこれ以上変更しないという点で意見の一致を見たと述べ、その理由として時間の不足を挙げた。

『ハンデルスブラット』紙Handelsblattは、メルケル首相が首脳会議の中期予算合意を受け、EU憲法の危機的状況の打開も図る意向であると報じた。首相は他の24ヶ国の首脳に対し、「欧州の社会的次元」soziale Dimension Europasに関する宣言を提案する意向であるという。この宣言は憲法条約に追加されることになる。メルケル首相はEU憲法の条文は変更してはならないとの考えを示したと『ハンデルスブラット』紙はドイツ政府筋の情報として伝えている。

同紙の報道によれば、メルケル首相が求めているのは欧州委員会、閣僚理事会、欧州議会に対してこれまで以上に域内市場に関する立法の社会的影響に配慮するよう義務づける付帯宣言である。これが認められると、異論のあるEUサービス産業基準のような自由化プロジェクトはEUの多数支持を得るのが一層難しくなる。

メルケル首相が求める付帯宣言の目標は、フランスやオランダの国民に対しEU憲法承認のハードルを低くすることである。両国は今夏の国民投票で、グローバル化や一層の市場開放などに反対する立場からEU憲法を否決している。ドイツは2007年上半期にEU議長国に就任する。

原題:Merkel will EU-Verfassungsprozess neu beleben




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